健常者にとって今の日本はかなり環境が整備されています。
都会であれば充分すぎるくらい。
でも障害者にとってはどうでしょう。
軽度の方ならバリアフリー対応と謳っている商業施設にいけば
完璧ではないにしろサポートしてくれる人がいれば何とかなってしまいます。
ですが、これが重度の障害者となると話は別です。
車椅子利用者となるとさらに条件が厳しくなります。
段差や通路幅、トイレの広さなど対応できる施設はかなり限られるからです。
ネットで検索しても複数の条件を満たすところは壊滅的です。
想像してみてください。
車椅子で食事も排泄も介助が必要なケースを。
まずバリアフリー対応のところがそもそも少ない。
身障者用のトイレがあるところはさらに少ない。
車椅子で入れる店も少ない。
どんどん候補となる店舗が減っていくのがわかると思います。
さらに食形態が加わるとほぼない。
店舗側としては他の利用客への配慮もあることでしょう。
いくら偏見や差別はよくないといっても、実際に全介助で食事を提供しているところを見たい人はまずいません。食事を口に運んでもうまく飲み込めずに吐き出してしまう方もいますから。
商売する側にとっては、イレギュラーな対応を求められる利用客を受け入れるメリットはまったくありません。ですが、障害のある方やその家族は利用できる店舗があれば家や福祉施設以外でも時間を過ごしたいはずです。
まだまだこうした声を拾えていないのが日本の現状です。
届いていても対応を先送りしているといってもいいかもしれません。
時間を限定するのでもいいし、パーテーションを設けるのでもいい。
個室やフロアの一角をそうした方用に開放するのでもいい。
何かしらやり方はあるはずです。
日本人は同じ方向を向いてみんなで一緒には得意ですが、個人となると動けない人も多いです。集団を出て一人になるとスマホばかりを見て周りには無関心です。外界とは関わりたくないと言わんばかりにヘッドフォンをしている人もいます。個人の自由と言われればその通りですが、そういう人は自分への危機にも反応できないことでしょう。
効率が過度に評価され無駄と思えるくらい便利な世の中になりましたが、自分のごく身近な人へ注意を向けることの方が大事なのではないでしょうか。
すぐに代わるものが出てくるでしょうが、一時でもスマホがこの世から消えたなら少なからず顔を上げて生活する人が増えるのではないかと思えてなりません。
最後に、身障者も安心して利用できるレストランがありましたので、参考までに載せておきます。素晴らしい取り組みだと思います。
では